初華side


校「えー、またひとつ年が明け新しい春がやって来ました…」


初「はぁ、」

何度聞いてもつまらない校長の挨拶についため息がでる。

どうしてこうどこの学校の校長も話が長いの?

新年度の校長の話は毎年ワンパターン。

もっと流行りのYouTuberだとかTikTokerだとかの話をしてくれれば飽きずに聞けるのに。

この手の話は小学生の頃から毎年恒例で聞かされてる訳だから今年で11回目。そろそろ台詞覚えそう。


私も寝ちゃおうかな…

そう思い、目を閉じようとすると



トンッ



急に隣の人の頭が私の肩にぶつかる。

なに急に?とも思うけど、まあしょうがないか、とも思う。

だってもう既に全校生徒の3分の2くらいは寝てるから。


?「あ、ごめん」


私に頭をぶつけてきたこいつは無愛想に小声であやまる。


周りで私たちの監視役をしている先生たちにばれないように私も小声で返す。


初「寝ないで聞いてなさいよ」

?「お前も寝ろよ、校長の話いいBGMだぞ」

初「馬鹿じゃないの」


さっきまで本気で寝ようかと思ってたのに

思ってたことを言われるとやりたくなくなるのは

人間の本能だ。

そして私に寝るのを勧めてきたこいつは

黒澤陽翔

現在進行形で私の好きな人。


陽「んだよ、人が勧めてやってんのに」


今度は少し大きめの声でそういってもう一度眠りにつく陽翔。


初「誰も頼んでませんー。」


そんなことを言いながらまた私は自分の言葉に後悔する。

だってこれじゃあ好きの気持ちが伝わらない。

いつもいつもこんなオチ。

陽翔むかつくやつだけど優しくて

紛れもなく私の大好きな人で

この片想いを終わらせたいと思ってる。


初「はぁ、」


既にすやすやと眠りについている‪‪陽翔を横目に

終わる気のない片想いに早くも本日2度目のため息をつく。

陽翔と私とあと瑞稀

私たちは1年の時から仲良くて今年も同じクラス。

さんこいち ってやつだね。

でもただの友達じゃない。

少し複雑な、でも大切な関係の


運命共同体