「え、私何も言ってな」



「カップラーメンにしよーかとも思ったけどあんま栄養なさそーだしまだそっちのがいいかと思ったんだよ!!!」



「え、は、はぁ…?」



「つーわけで勝手に食えば?……飯は炊いてある」





…勝手に食えばって。




もしかして、私のために買ってきてくれたってこと…?だよね、たぶん。





「……ありがとうございます」



「別に!俺だって米ぐらい炊けっから」





ソファに座る魔王は、相変わらず私に背中を向けたままだけど




きっとその顔は赤くなっているような気がした。






…なんだかんだ





信じられないけど





……優しいんだよね。魔王って。