「ただい…「遅くね!?」



「え、魔…宝示さん!?どうしたんですか…?」




ドアを開けるなり視界に飛び込んできたのは、なぜか玄関で険しい顔して仁王立ちしている魔王の姿だった。




「どうしたんですかじゃねーよ。

7時には帰るっつってたろ。16分32秒の遅刻だ」



「え、あ、ほんとだ」





たしかに部屋の時計を見ると、7時16分を指している。


嵐くんと喋りながら帰ってたから、いつもより少し歩くのが遅くなってしまったみたい。



でも、だからってこんなに怒らなくても。




「あ…もしかして夕飯待ってたんですか!?お腹すいて怒「ってねーよ!腹すいてイカるとか俺はガキか!?」



ひいいいいやっぱ怒ってんじゃん!!




「じゃ、じゃあ何なんですか?

帰るのが予定よりもちょっと遅れたからって、娘を心配するお父さんじゃあるまいし!」



「……っ、」





そこで、なぜか顔を真っ赤にして黙りこくる魔王。




…え。まさかホントに…





「……心配……してくれたんですか?」