「……おまえさ」




それから数分、黙々とお粥を食べていた私を横目で見ながら魔王が言った。




「最近全然食ってなかったろ」



「え?」



「だから貧血で倒れんだよ」



「貧血…」





そうだ、なんかすっぽり頭から抜け落ちてたけど、そーいえば私、体育の授業中に倒れそうになって。


…倒れずに済んだのは、他でもない、今目の前で偉そーに床にアグラかいて座ってる



魔王が助けてくれたから、なんだよね……





「医者が置いてった薬あとで持ってくっから、ソレ食べ終わったら飲めよ。なんか、栄養剤だと」



「え…病院つれてってくれたの!?」



「ここに呼んだ、俺んちの医者」



「俺んちの医者…!」





発言がお金持ちすぎる、俺んちに医者はいないよ、ふつー。





でもたしか、はじめて魔王とうららさんと会って私が倒れたときも、うららさんがそんなこと言ってたような?





「どんだけ倒れんのお前」



「う…面目ございません…」





その通りすぎて何も言い返せない…