「はあ~……」



「どしたのりの、ため息ついて。ってか今日の昼ごはんそれだけ?」




昼休み、佑奈がチロルチョコを食べる私を見て不思議そうな顔をする。




「う、うんまあね。節約。今ピンチで」




なんたって残金1,123円の上バイトまでやめさせられたんだもん!!




「そんなに金欠なの?最近もバイト入りまくってたのに?」



「そうなんだけど……」





家が燃えて、魔王の召使いをすることになって、その魔王の命によりバイトやめさせられて…


佑奈には話してみようかな。



佑奈、ちょっと調子のいいところはあるけどすごくいい子だし、もしかして何か、力になってもらえるかもしれない。




「実はね、佑奈……」





そう思って口を開いたときだった





「あああああっ!!」





突然大きな声を出した佑奈。




「びっ、くりしたぁー…何急に!?」



「私としたことが完全に忘れてた!今日の5時間目、特別クラス移動教室!!」





行くよっ!と鬼気迫る勢いの佑奈に腕をつかまれて無理やり立たされる。




ちょうど包み紙を開けようとしていたチロルチョコを手にしたまま教室を後にした。