「な、なんっ…なんでそんなことを!?」



「過労でぶっ倒れたの忘れたのか?お前」



冷たい瞳で私を射抜く魔王。



「働きすぎなんだよ、いくら庶民とはいえ高校生だろ、おまえ」



「そ、それはそうしなきゃいけない事情があって…特に今は…」





特に今は、一刻も早くお金をためてこの魔窟を脱しなければいけないのに!!





「なんでそんなことしたんですか!?!?」




いつになく強気の私に、魔王が一瞬ひるんだように見えた。




「そ、それはお前の体がしん……」




そこでなぜか言葉をとめた魔王。




「…しん、なんですか!?」



「しん…しん……つ、つか信じらんねー!

おまえ…自分の立場忘れたのか!?



お前はこの俺の召使いだろ」






グサッ





魔王のフォークが、目玉焼きの黄身の部分に突き立てられる。





「おまえ…


召使いの分際で、俺に“チン”とかいうしょぼーい業務をさせる気か…?」




ぎょ、業務って…