「一般庶民の分際で、魔王に近づくからだよ。ばーか」
――その時はっきり思い出した。
あの子前に、魔王に告白してた女の子だ…!!
ケラケラという笑い声とともに、歩き去っていく足音がする。
辺りは漆黒の闇。
「ちょっ、待って…っ!!!」
嘘でしょ…
置き去り!?
痛い。
とにかく足が痛い。
落ちた時に折れたのかもしれない。
目の上も切れているのか、右目がうまく開かない。
遠くから、「ワオ~ン」なんて犬の遠吠えもするんですけど…
思い出すのは、林の入り口にあった“狂暴な野犬注意!”という看板。
死ぬ!!!



