「そうなんですね!!意外…!」



「意外って、一応同じ学校だろ、俺ら」



「そうですけど…!でも青少年自然の家にそんなに人数が入るんですかね?」



「どこそれ。会場はリッ〇カールトンホテルって聞いてるけど」



「は!?」





超高級ホテルじゃん…!




「…は、って。ソッチは違うの?」



「…だから、青少年自然の家ですけど」





改めて口に出すと格差がすごい。




突き付けられた身分の差に少し落ち込んでいると、スマホをいじりながら魔王が「あー、ここか」と声を出した。




「意外と近いじゃん、俺らと会場」


「そうですね…環境には天と地ほどの差がありますけど…」


「こ、こんくらいの距離なら、歩いて行けそうだな」


「はぁ、そうですか…」


「夜とかも。すぐ行けそうだな」


「はー、そうですね、夜とかも…」







「花火一緒に見ねー?」



「そうですね、花火……は!?」





魔王のまさかの発言に顔をガバッとあげると、目が合った魔王が慌てたように視線を逸らした。