「でもこれからまだ何あるか分かんないし、来週の勉強合宿は休んだ方がいんじゃない?別に参加、強制じゃないみたいだし」



チョコレートケーキを頬張りながらそう言う佑奈。




来週、一泊二日で勉強合宿がある。


名前の通り、来年の受験に向けての意識を高めるために勉強しまくろう!という地獄の合宿だ。


外部講師も呼んだりして、苦手克服や受験のノウハウを頭に叩き込まれる、らしい…。


全然行きたくないし、一応は任意で参加、ってことになってるらしいけど。



「いや行くよ~。任意ってテイだけどみんな行くみたいだし」


「えー、マジでー。りのが休むんなら私も休もうと思ったのに~。あ、でも一個だけいいことあるよ」


「いいこと?」



「夜、勉強のご褒美ってことで毎年先生たちが打ち上げ花火してくれるんだってー。それを一緒に見たカップルは、将来ずっと一緒にいられるってウワサ」





将来ずっと、一緒にいられる…





「魔王と見れば?」



「佑奈、ニヤけすぎて顔溶けそうだよ」



「えーうそー?」





っていうかそもそも魔王は特別クラスだし、私たちみたいな庶民と一緒に勉強合宿なんてするわけ…





「あるけど。俺らも勉強合宿」





まじですか!!!





家に帰って、魔王にそれとなーく勉強合宿のことを聞いてみると、サラッとそんな返事が返ってきた。