だけど、やっぱり一時的にでも居候させてくれるのはありがたい。



こうなったら魔王の召使業とバイトがんばりまくって、激安物件見つけたら一刻も早く出ていこう…!




「よろしくお願いします」





覚悟を決めた私は、この城の主である魔王に頭を下げた。





だが…





なぜか魔王は、何も言わずにブルブル体を震わせている。





な、なに!?

まさか私との同居生活がやっぱり嫌すぎて拒否反応が…!?





「……だ」




いつもに増して険しい顔をした魔王が何かを呟いた。





「え!?な、なん…ですか!?」



「…禁断症状だ」



「は!?」



「お前のせいで買ったばっかのラブラブ激甘いちごミルクは零れるしお前がぶっ倒れたせいで最寄りのスーパーで買いだめすることもできなかった…!!」




ラブラブ激甘…ってまさか今日出会った時に持ってたあのアブナそーな真っピンクの液体!?





「……おい」





魔王から闇の魔王の形相に変貌した彼が低い声で私に言う。






「今すぐいちごミルク買ってこい!!!」



「はいっただいま…!!!」







北浜りの、16才。




今日から魔王の召使い、はじめました。