教室で、いつもと同じような担任の先生の話を聞きながらも、さっきの画鋲のことが頭から離れなかった。



あれって、やっぱり私と魔王のあの写真を見た人が、入れたものだよね…?




あの写真のこと、やっぱりもうみんな知ってるんだろうか。このクラスの人たちも…?




悶々とそんなことを考えている間にあっという間にSHRは終わって、すぐに一限目の現代文の授業が始まった。




「はい、じゃあ教科書の36ページを開いて――」




先生の言葉に慌てて机の中から現代文の教科書を取り出した。でも





何、これ…?






スッと、頭から冷や水をぶっかけられたみたいな感覚。





ビリビリに破られた現代文の教科書。





中には黒いマジックで大きく、





“調子のんな庶民”






そう書かれていた。