魔王がせっかく手伝ってくれるというので



ビーフシチュー用の野菜の皮むきは魔王に託し、私はありがたくその隣で先に生野菜のサラダを作らせてもらうことにする。




「そーいえば、宝示さんって私が居候する前って何食べてたんですか?」



「いちごミルク」



「いや言う予感しましたけど。それ以外で」




「それ以外?」





私のレタスをちぎるパリッという音と、



魔王がゆっくりジャガイモの皮をむく、シュ、シュ、という音だけが会話と会話の間を繋いでいる。





「…まあ、コンビニでバイトしてたし」



「コンビニ弁当?」



「はじめて食ったときはビビったな。意外とうめえって」





そっか魔王、コンビニもろくに行ったことなかったのか。