……え。




私はニンジンの皮をむいていた手を止めて、考える。




今のって空耳…だよね?



魔王が料理なんてしてるの見たことないし…!(一回お粥を作ってくれたことはあったけど!)




そう思って



「じゃあ出来上がるまで、のんびり待っててくださいね~」




と笑顔で言うと





「だから手伝うつってんだけど?」





若干キレられた。



え、もしやさっきの、空耳じゃなかったの!?顔がコワいよ!?




「て、手伝うって…もしやご飯作るの、ですか?」



「それ以外に何があるわけ?」



「だっ、いや、宝示さん料理でき…というか、いいですよ!これは私の仕事ですから!」




そう、これはここに居候させてもらってる私の仕事。



魔王の料理の実力は関係なく、手伝ってもらうわけにはいかない。