「え」




隣に視線をうつした。



宮前龍太郎の見た目が、メガネをかけている学校モードのクールキャラだからか、



それとも





“りのちんは、俺らとは違う世界の人だよね”





あの言葉を、思い出したからか。




少し緊張が走った。





宮前龍太郎は私を見てはいない。



真顔で、呉葉さんの車が走り去った方を見つめている。






「……うん、ほんと」





緊張しながら答えると、宮前龍太郎は前を見つめたまま「そっかー」とだけ言って




踵を返して歩き出す。





え、それだけ!?





「あ、あのっ」



「北浜りの」





思わず呼び止めると、宮前龍太郎が振り向いた。





「早く教室に戻れ、授業はじまるぞ。庶民」





語尾に庶民つけんでよくない!?





やっぱり普段のチャラモードの宮前龍太郎もうっとおしいけど、学校モードのクールキャラは嫌いかも。




ほんとに謎だ、このキャラの使い分け。