「へえ。根拠は?」



「根拠も何も、お前が自分の意志でここに来たとは思えない。俺のことだって別に本気じゃねーだろ」



「…本気よ。政略結婚の何が悪いの?私と貴方なら価値観も合いそうだし最高じゃない」



「言っとくけど俺はお前らの言ってる“価値観”っつーやつが大嫌いなんだよ」





魔王がギュッと拳を握る。



まだ真っ赤な髪の毛は濡れていて、雫が垂れていた。





「…みんな金のことばっか。金のためなら何してもいい。そんな奴らのことが世界で一番…嫌いなんだよ。反吐が出るくらい」