――くしゅんっとクシャミが出て、私は寝転んでいたベンチから体を起こした。




ここは公園。




呉葉さんの車から降りると、ちょうど目の前に公園があって。今はその公園にホームレス中。



呉葉さんにお友達の家にでも泊まってほしいと言われたとき、真っ先に佑奈の顔が浮かんだけど、思わずその場で車を降りていた。



なんとなく一人になりたかったから。




「……お腹へったな」




そんな独り言に答えるようにお腹がなった。




カバンの中から財布を取り出してみる。




残金…1,123円。




どっかで見たことあるな、この数字。


そうだ、魔王と出会った日。私のお財布にあったお金と、ちょうど同じ金額だ。




すごい偶然だ…



この状況、色々含めて。





とりあえず、もう少しここでゆっくりしようかな。そしたら、佑奈に連絡して、今日は泊めてもらおう。



明日はいつも通り学校もあるし、バイトもあるからがんばらないと…





明日、魔王とシフトかぶってたっけ?




そんなことを考えたのを最後に、気づいたら意識が途切れていた。