「買い物…昨日行ったばかりですが「買い忘れがあったの」
にっこり、呉葉さんが微笑む。
「お願い。暁は今日バイトらしいし、龍太郎も用事があるらしくて」
「そうなんですか。でもすみません、今日は佑奈と予定があって…」
「大丈夫大丈夫!私はいいから!」
私の隣でブンブン手を横に振る佑奈。
「私と買い物なんていつでも行けるじゃん?白雪姫を優先させて!」
「でも」
「りの」
佑奈が私の耳元に口を寄せて小声で囁く。
「白雪姫のことも、魔王のことも明日根掘り葉掘り聞かせてもらうから!覚悟しててよね?」
そしてパチッと私にウインクすると、「じゃ、また明日~!」と元気に走っていってしまった。
佑奈…もしかして、いや絶対に
めちゃくちゃ面白がってるよね!?
「いいお友達ね」
呉葉さんが佑奈の背中を見送ってそう言った。
「じゃあ行きましょうか」
「は、はい…」
呉葉さんと2人きりで買い物、って。
…なんか緊張するなぁ。