「あほ貧乏人って…せめて悪口どっちかでよくない！？コラボさせんでよくない！？」
「ぶっ、りのちんってホントおもしろいよね～最高」
「褒めてないよねそれ！？」
「褒めてるけど？さいこーに」
ポンッと私の頭に、その華奢な身体のわりに大きな手がのっかった。
「…かける価値あんね」
「…は、かける？どーいう意味…」
「なんだかんだ暁も心配なんだな～呉葉のこと」
突然話が変わった。
気づいたら、宮前龍太郎のパフェは半分以上減っていた。
「あー…うん、そうだね」
私が呉葉さんの戻りが遅いって言ったら、すぐ探しにいったもんね。
「ま、なんだかんだ付き合い長いしね～あの２人も」
「…たしか小さい頃、船で迷子になってた呉葉さんを見つけたんだよね」
「お、聞いたんだ」
宮前龍太郎が、パフェに入っていたいちごを一口で頬張る。
「…くだんねーしつまんねー。同じ世界の人間が一緒になるなんて」
「え？」
「でも、そっちのが幸せなのかもね」
宮前龍太郎がまるまる一つのいちごを、スプーンで器用にすくうと
私の前に差し出した。
「ね、りのちんはどー思う？」
