「はぁ…すごいね…こんな高級なお店で買い物する人とかほんとにいるんだね…」



G〇とユニ〇ロで服何枚買えるかとか、想像する私みたいな人はまず来ないと思われる。



「そうだねー、あの2人とかね」



宮前龍太郎が指さした方を見ると、慣れた感じで服を選ぶ呉葉さんと魔王がいた。



当然だけど値札を見て飛びのいたりはせず、静かに淡々と買い物をしている。




「…世界が違うって感じ」




そうだよね。


ほんとは魔王も、こっち側の人間なんだ。


いちごミルクが好きすぎて、つい忘れそうになるけど。




「…まぁまぁそんな寂しそうな顔しないで!」


「べつに寂しそうな顔してなんか」


「あ、そうだっ!貧乏なりのちんには俺が特別になんか買ってあげるよ~これとかどお?」



人をナチュラルに貧乏呼びした宮前龍太郎が近くに飾られていたワンピースを私の体に勝手にあててくる。




「おおっ意外と似合うよ~♡」


「意外って。いや嬉しいけど」


「こっちの黄色もいんじゃん?りのちんってイエベ?ブルベ?」


「わ、わかんないけどこんなところの服場違い…」


「店員さーん!この人試着したいそーです!!」


「言ってないよ!!!」