「りーのちんっ?さっきからそこで突っ立って何してんの?早く中入ろうよお~」



信じられないほどフカフカ座席の呉葉さんの車に乗ること数十分。


やって来たのは、有名な高級老舗百貨店。



その中でも特に高そうなアパレルのお店。




なんだかキラキラした内装の店内に、なんかすっごい高そうな洋服たち、そしてキラキラオーラを纏いまくっている店員さんたち…




「わ、私みたいな庶民にはとても場違いな気がするんですけど…!」


「あはっ、俺もそー思う~」




隣でケラケラ笑ってんのは学校の外に出てチャラモードになった宮前龍太郎。


魔王と呉葉さんの2人はすでに店内に入っている。




「宮前龍太郎ってなにげに酷いよね…まあ本当のことだけど!」


「仕方ないじゃーん、でもまぁ、ここで突っ立ってる方がよっぽど不審でアヤシーから早く中入ろ?」


「…そうだね」




さっきからチラチラ飛んでくる店員さんの視線はたぶん気のせいではない。





勇気を出して店内に足を踏み入れてみる。




おそるおそる、近くにあった洋服の値札を見てみると…





「数字が多い!!!」



「あは、りのちん恥ずかしいからヤメテ~」




宮前龍太郎にそっとその服から遠ざけられた。