「ねえ、正気?」
家に帰ると、なぜかリビングの真ん中で呉葉さんが仁王立ちしていた。
「こんっな狭い部屋で本当に人間が生活できるの?私の愛しのうさぎちゃん達の部屋と同じ広さだけど」
えー…と。
「どうしてここに!?」
「そういうあなた誰なの?暁の使用人?」
思わずカバンを落とした私を見て、不思議そうに眉をひそめる呉葉さん。
「え、いや、まあ…そんなようなものですが」
召使いですが…
「あっそう。ならちょうどいいわ。私お腹がすいたの。何か軽食作ってくれない?」
「いい加減にしろ呉葉」
キッチンから、いちごミルク片手に魔王が現れた。
「いつまでいんだよ。早く帰れ」
「帰らないよ〜、だって私、今日からここに住むんだもん」
…えーと。
「「はぁ!?」」
私と魔王の声が綺麗に重なった。



