「あれ、いちごミルクあと一つだー」



休み時間、佑奈と一緒に自販機へ。


パックのいちごミルクを買おうと思ったけど、残りの在庫があと一つなのに気づいてボタンに向かっていた手を止めた。




「別にいいじゃん、早い者勝ちだし買っちゃえば?」




隣の別の自販機で、購入したミルクティーを取り出しながら佑奈が言う。




「うーん…やっぱやめとく。私よりいちごミルク飲みたい人いるかもしれないし」




ピ、といちごミルクのすぐ隣に並んでいたオレンジジュースのボタンを押した。




「てか、りの最近よく飲んでるよねー、いちごミルク。前から好きだったっけ?」



「うーん、飲むようになったのは最近かな。意外とおいしいよ」




だって、毎日あんなに幸せそうにいちごミルクを飲んでいる人を見てたら、なんか無性に飲みたくなっちゃうっていうか…



まあ、学校で魔王がいちごミルクを買うことはないって知ってるんだけどね。