「…え」
思いがけない言葉に呆気にとられる私。
誰が見ても絶対、この目の前にある料理たちの方が美味しいのは分かり切ってるのに、そんなこと…
…でも私は、少しずつわかってきた。
魔王が冗談で、こんなこと言える人じゃないって。
やばい。嬉しい。というか、なんか顔が熱いかも…
「…は~ん?もしかして今の、プロポーズぅ~?」
「はぁ?」
すると、間延びした声とくねくねした動きをしながら近づいてきた宮前龍太郎が、怪しい笑みを浮かべて魔王の隣に座った。
「俺に一生お前の味噌汁作ってくれ的な~?やーんふっる~い、昭和ですかぁ~?」
「は、はぁあ!?んなわけねーし、だまだま黙れ龍太郎!!!」
真っ赤な顔した魔王が、「おい!!」と右手をあげて威勢のいい声を出した。
すかさず近づいてきた男子生徒が、サッとブラックコーヒーの缶を手渡す。
…あ、やっぱりブラックコーヒー好きの設定なんだ。
ていうかこの男子生徒さんとメイドさん達ほんと、何者…?魔王に呼ばれるとき以外は、壁際に立って壁と同化してるし…。
唯一宮前龍太郎だけがこの部屋で、魔王と対等に話している。



