「失礼致します、北浜様」
「えっはい!?」
と思ったら、今度は背後から突然メイド姿の女の人が現れて、優しい、だけど有無をいわさぬ力で椅子に座らされた。
ていうか、この椅子クッションがフッカフカ…!明らかに教室で普段私たちが座っている椅子とは違う!!
「ほら、これ」
机をはさんで、私の正面に座った魔王がゴハンが入ったお弁当箱のひとつを差し出してきた。
「おかずはこっちで用意した。食え」
「く、食えって言われても…」
「気にすんな。特別クラス専用のカフェテリアでいつも出してるランチメニューを持ってきただけだ」
いつも出してる!?ランチメニュー!?これが!?
明らかに、高級三ツ星レストランで出てきそうなそれですけど…!
しかもこの豪華すぎる料理たちと、ちんまりとした普通すぎるお弁当箱に入れられたゴハンの対比が…むなしい…!
「…何変な顔してんのお前。あ、心配すんな?
お前が作った弁当のおかずは今日の夕飯で食うし」
「え、い、いいよそんな…」
忘れてたけど、魔王は金持ち。
こんな料理を当たり前のように食べてる人に、今更だけど私の作ったお弁当なんてショボすぎて食べさせられない…
というか
「こんな豪華な料理が学校で食べれるんなら、もう私のお弁当なんて必要ないんじゃ…」
「は?何言ってんのお前」
魔王が形のいい眉をひそめた。
「お前の料理のがうまいだろ。ふつーに」



