「もー、大丈夫ですか?」




魔王の背中をさすろうと手を伸ばしかけたとき、ブー、とポケットの中のスマホが震えた。



取り出して見ると、ラインの新着メッセージが一件。嵐くんからだ。





【やっほ~今超絶ひま~

今日もシフト一緒だよね、よろしく~!
りのに会えんの楽しみにしてる】





「誰だよこいつ」


「っえ!?」





気づいたら、魔王が険しい顔で私のスマホをのぞきこんでいた。




「嵐って…男?」



「はい、バイト先の子です。

私教育係になっちゃったから、シフトがほぼ一緒で。

よく暇ラインくるんですよねー」



「……ふーん」



「あ、ってかもう時間だ。私行きますね!コーラごちそうさまでした!」





嵐くんに返事を打つのは後回しにして、ベンチから立ち上がる。





「あ、今日は早くあがるんで夕飯ちゃんと作りますから~!」



「…おー」