「…そう?」


「そーですよ!だって特別クラスって、校舎に専用のカフェテリアあるらしいじゃないですかー!わざわざこっちの自販機で飲み物とか買うんですね!」


「…別に。お前が見えたから」



「え?」






「用あってたまたまこの辺歩いてたら、お前が見えたから」






…それって私に会いにきた…ってこと?






「………」



「………ハ!!」





思わず押し黙った私に、一瞬不思議そうに視線を落とした魔王だったけど



すぐに我に返ったみたいで、なぜか突然アワアワしだした。





「や、違、これは、これは…別にお前が見えたから来たんじゃねえし!俺はな、たまたま死ぬほどブラックコーヒーが今すぐに飲みたかったんだよ!!!そしたらたまたま死ぬほど偶然にお前がここにいたってわけだ!!!誤解すんなよ!?」




そしてヤケになったかのようにブラックコーヒーを勢いよくあおって





「…ゴホゴホゴホッ!!」





2秒でむせていた。





少なくとも死ぬほど飲みたかったっていうのは絶対嘘だ。