「ほら」




そして軽く屈んで取り出し口から取り出したそれを、私に差し出してくる。




「え…コーラ?」


「飲みたかったんだろ。
40円安いお茶に妥協しようとしてたみてーだけど」


「な!」


「お前って結構、わかりやすいのな」




ん、と取るように促してくる魔王に、「いやいやいや!」と距離をとった。




「もらえませんよー!悪いし」



「なんで。お前も昨日いちごミルクくれたじゃん」



「それは…た、ただでさえ、今はまだ日々の生活費も100%お世話になってる状態ですし」



「150円ごときでゴチャゴチャ言うな。いいから黙って受け取れよ貧乏人」





び、貧乏人って…!



有無を言わせずコーラを押し付けるように私に渡すと、魔王は新たなコインを投入して、ブラックコーヒーを買った。




「ブラックコーヒー…」




私の視線に気づいた魔王が、「…あぁ」と少し気まずそうに視線を逸らす。





「…そのままの俺じゃねーかもしんねーけど。
なんつーか…これも俺、だから。お前にはわかんないかもしんねーけどな」