………え?




「…えっと…あの、おやすみなさい……?」





バアンッ!!と、私の声をかき消すかのように、魔王の部屋のドアが大きな音をたてて閉まった。





ええ…やっぱり怒ってるの?怒ってないの?どっちなの!?




ていうか何でさっきあんなに顔赤かったんだろう。




もしかして照れ…



って、それはないか!さすがに!!





それにしても。




“周りから見て認められる奴になれって言われてきたし……刷り込まれてきた”




さっきの魔王の言葉を思い出す。




もしかして【魔王】は仮の姿で



ほんとうの【宝示暁】は……






ふと足元を見ると、魔王がさっき落としたいちごミルクのパックが転がっていた。