開始まであと10分で見たことがないやつが現れた。
男で僕の170センチよりちょっと大きい。
体型は僕と同じくらい細身の普段Sサイズかなーくらい。
ちょっと影がありそうなキツネ系の顔。
まあイケメンの類ではあると思う。
よしよしと思い盗み撮り。
普通にメールする様な角度で一枚確保。
手ブレないからと思いそのまま吉崎さんに送ろうとした。
「ダメですよ、そんな隠し撮りみたいなもので吉崎さんに送っては。」
え、と思い顔を上げるとさっきまで石畳の上にいたはずのその男が目の前にいた。
驚き過ぎて硬直し、スマホを落としてしまった。
そのまま拾えず硬直したままである。
「ああ、うさぎが可哀想ですよ。野々宮くん。」
そういって拾い上げて埃を落とし、持っていたハンカチを胸ポケットから出して画面を拭きあげていた。
「ああ、あり、あ。」
脳みそが回っていない。
ホラーのジャンルじゃん、これ。
吉崎さんのこと知ってたし、僕の名前も当てたし、寧ろ写真ことを。
「いえ、折角ですから一緒に撮ったものを吉崎さんに差し上げましょう。」
そう言って自撮りモードにしていた。
知らないアプリもダウンロードしている。
カメラ起動をすると僕の顔とその男の顔、そこにウサギのデコレーションがされている。
ナニコレ。
ナンデスカコレ。
アプリダウンロードの時のパスワードは?
全部不明。
生きてきた人生の中での集大成しても全部不明。
小学校の時の友達だとしても吉崎さんは中学2年の時に編入してきたから知らないはずだし、いやそれよりも。
「あの、あの」
「ハイにっこリン!」
写真にされた。
僕の顔は酷く引き攣っていた。
それとは真逆にイケメンが僕の肩を抱いてにっこりと写っている。
「どう?不思議だった?」
呆然と立ち尽くしている僕をよそに何か操作している。
そして返してくれた。
画面を見るとメール画面で吉崎さんに「馬場彰人(ババ アキト)です!よろしくね、三浦さん。まだ吉崎さんか!」と送っていた。
「視える時があるんだ、僕」
男で僕の170センチよりちょっと大きい。
体型は僕と同じくらい細身の普段Sサイズかなーくらい。
ちょっと影がありそうなキツネ系の顔。
まあイケメンの類ではあると思う。
よしよしと思い盗み撮り。
普通にメールする様な角度で一枚確保。
手ブレないからと思いそのまま吉崎さんに送ろうとした。
「ダメですよ、そんな隠し撮りみたいなもので吉崎さんに送っては。」
え、と思い顔を上げるとさっきまで石畳の上にいたはずのその男が目の前にいた。
驚き過ぎて硬直し、スマホを落としてしまった。
そのまま拾えず硬直したままである。
「ああ、うさぎが可哀想ですよ。野々宮くん。」
そういって拾い上げて埃を落とし、持っていたハンカチを胸ポケットから出して画面を拭きあげていた。
「ああ、あり、あ。」
脳みそが回っていない。
ホラーのジャンルじゃん、これ。
吉崎さんのこと知ってたし、僕の名前も当てたし、寧ろ写真ことを。
「いえ、折角ですから一緒に撮ったものを吉崎さんに差し上げましょう。」
そう言って自撮りモードにしていた。
知らないアプリもダウンロードしている。
カメラ起動をすると僕の顔とその男の顔、そこにウサギのデコレーションがされている。
ナニコレ。
ナンデスカコレ。
アプリダウンロードの時のパスワードは?
全部不明。
生きてきた人生の中での集大成しても全部不明。
小学校の時の友達だとしても吉崎さんは中学2年の時に編入してきたから知らないはずだし、いやそれよりも。
「あの、あの」
「ハイにっこリン!」
写真にされた。
僕の顔は酷く引き攣っていた。
それとは真逆にイケメンが僕の肩を抱いてにっこりと写っている。
「どう?不思議だった?」
呆然と立ち尽くしている僕をよそに何か操作している。
そして返してくれた。
画面を見るとメール画面で吉崎さんに「馬場彰人(ババ アキト)です!よろしくね、三浦さん。まだ吉崎さんか!」と送っていた。
「視える時があるんだ、僕」

