優月は驚いたが部屋に嫌がりもせずに通してくれた。 そしてこの前と同じようにコーヒーを出してくれた。 優月はどこまでも優しい。 付き合っていた頃はその優月の優しさに甘えていたのかもしれない。 「どうしたの?手術は明日だよ?」 優月が不思議そうな顔で訪ねる。 「これ、勝手に持って帰ってた。」 白黒のそれをテーブルに置けば優月は目を見開いた。 「良かった、コウくんが持ってたんだね。」 俺を責めることもしない優月。