幼い頃は、ドラマや映画を見るたびに美しく彩られた恋や愛に胸を高鳴らせ、いつか自分もこんな素晴らしい物語を作っていくのだとジャックは信じていた。しかし今、ジャックは檻の中で看守と狂気的な目を向け合って「アイシテル」と言い合っている。

「あなたの犯した罪も、あなた自身も、何もかもアイシテル」

とろけた目でそう言い、アリシアがまたジャックの唇を自身の唇で塞ぐ。その唇は、アリシアの唾液は、まるでシロップのように甘くて酔ってしまいそうになる。

狂気的な愛がこれほどまでに美しく、酔いしれるほどに甘いことをジャックが知ったのは、囚人になってからだった。