公然の秘密

「ああ、そうだ」

尾関は思い出したように言うと、
「両親へのあいさつはいつにする?

なるべく早い方がいいと思うんだ」
と、言った。

「あー、そうですね…。

来週の土曜日は仕事が休みなんで、その日は大丈夫かどうか後で両親に確認してみます」

「うん、お願いね。

後、菓子折りは何か持って行った方がいいだろうな。

何か苦手なものとかこれはダメなものってある?」

「特にないですかね」

「日時が決まり次第、何かよさそうなものをいくつか調べてみるか…」

尾関はうんうんと首を縦に振ってうなずくと、みそ汁をすすった。

「あの、そこまでする必要は…」

柚愛がそう言って話を切り出したら、
「これから仲良くなってお世話になるんだから、これくらいのことはさせてくれよ」
と、尾関は言い返した。