「無事にやってきて、無事に生まれてくれたらどっちでもいいよ」

尾関は言った。

「でも強いて言うならば、女の子がいいかな…なんて」

「あら」

そう答えた尾関に、柚愛はクスッと笑った。

「何だよ」

笑われたのが不服だったらしい。

尾関はジロリと柚愛に視線を向けてきた。

「予想通りだったから」

正直に柚愛が言ったら、
「でも女の子だけだと柚愛が嫉妬するから男の子も欲しいかなって」
と、尾関は言い返した。

「自分の子供に嫉妬しないから大丈夫だよ」

「…言ってくれるな」

尾関は柚愛の額に唇を落とすと、
「決めた、今夜は寝かせないから」
と、宣言した。

「えーっ?」

「朝まで柚愛のことを抱き潰す、以上」

尾関はもう1度宣言した。