「だから、何ですか?」

弘人が自分を見たのがわかった。

「そんなにも、私や加納さんを悪者にしたいんですか?

私と加納さんを悪者扱いして楽しいと思っているんですか?

加納さんが殺されたのは私のせいだ、加納さんを殺したのは彼女が悪いーー加納さんの言う通り、今のあなたは自分の思い通りにならなくて親に泣きわめいているだけのイヤイヤ期の子供ですよ。

こんなヤツと10年以上もつきあっていた自分が恥ずかしくて仕方がないわ」

「ゆ、柚愛…?」

「気安く呼ばないで!

私のことを名前で呼んでいいのは麗一さんだけよ!」

柚愛に怒鳴られた弘人はビクッと躰を震わせた。

「長くつきあった俺よりも、そんなにもあいつの方がいいのかよ…」

弘人が何かを言っているような気がしたが無視をした。