尾関と結ばれて数日が経った朝のことだった。

「麗一さん、コーヒー」

「おう、ありがとう」

いつものように朝食を食べていた時だった。

それまでテーブルのうえに置いていた尾関のスマートフォンが震えた。

「知らない番号からだ」

画面を確認した尾関は呟くと、指でタップするとスマートフォンを耳に当てた。

「もしもし…はい、そうですが。

えっ、警察!?」

驚いたと言うように声をあげた尾関を柚愛は見つめた。

警察から尾関に何があったと言うのだろうか?

「はい、はい…そうなんですか…」

尾関はそう言うと、
「わかりました、これからそちらに向かいます。

W警察署でいいんですよね?

はい、向かいます。

お忙しいところ、ありがとうございました」
と、スマートフォンを耳から離した。