子供かと、柚愛は心の中でツッコミを入れた。

「それじゃあ、麗一さんが負けたと言うことでアイスを買いに行ってらっしゃい!」

「いや、まだだ!」

尾関はパッと座り直した。

「まだ勝負は終わってない!

もう1回やるぞ!

アイスはそれからだ!」

フンフンと鼻息を荒くした尾関はコントローラーを手に持った。

「いいか、隠し技はなしだからな?」

「えーっ、それだと私が負けちゃうんですけど」

「そんなの関係ねぇ!」

勝負する気満々の尾関に、柚愛はやれやれと思いながらコントローラーを手に持った。

「よし、やるぞ!

次こそは絶対に勝ってやる!」

その様子はまさに子供である。

(夜は長いし、まだ眠気もないから、もう1回だけつきあうことにするか)
と、柚愛は心の中で呟いた。