公然の秘密

尾関は目をそらすと、
「どうしよう…」
と、呟いた。

「えっ…?」

理由がわからなくて聞き返したら、
「わかって聞いてたら質が悪いぞ」

何故か尾関にそんなことを言われた。

「いや、何が…?」

柚愛がもう1度聞き返したら、
「もう知らないぞ、言わせたのは柚愛の方なんだから」
と、尾関は言った。

尾関は柚愛と目をあわせると、
「ーー柚愛を抱きたい」
と、言った。

「えっ、あっ…」

まさか、そんなことを言われるとは思わなかった。

「やっぱり言わなきゃよかった…。

穴があったら今すぐに入りたい…」

そう呟いた尾関の顔は真っ赤だった。

「私で、いいの…?」

柚愛が聞いたら、
「柚愛がいいんだ」
と、尾関は答えた。