公然の秘密

(ものすごいところで働いてるのかな?

それとも、フリーランスって言うヤツなのかな?)

柚愛はそう思いながら会計を済ませた。

「どうも、ありがとう」

彼は柚愛にお礼を言うと、レジを離れた。

エコバックに先ほど買った商品を入れると、彼はスーパーマーケットを後にしたのだった。


「お疲れ様でしたー」

仕事が終わると、柚愛は更衣室へと足を向かわせた。

「精肉部の蜂須賀さん、結婚するんですって」

更衣室に入ったとたんに耳にした結婚の話題に、柚愛の心がチクリと痛んだ。

「蜂須賀さん、つきあっていた人がいたんだ」

「みたいだねー」

これ以上、その話題を耳にするのが嫌だった。

柚愛はササッと着替えを済ませると、早足で更衣室を後にした。