公然の秘密

弘人と別れて尾関と結婚することを選ぶと言った時、彼は喜んでくれた。

その流れで弘人と一緒に暮らしていた家を出て、尾関の家へと転がり込んだ。

(こうして振り返ってみると、すごいスピードだな…)

出会ってから結婚のあいさつをするまで、あっと言う間である。

「柚愛」

尾関に名前を呼ばれて我に返った。

「今さらであれなんだけど、結婚式はどうする?

それとも籍を入れるだけにするか?」

尾関がそう言ったので、
「あー、そうだね…」
と、柚愛は返事をした。

「麗一さんはどうしたいの?

呼びたい人がいるんだったら呼んでいいよ」

柚愛がそう言ったら、
「それが…」

尾関は気まずいと言うように、そっと目をそらした。