「ありますよ」

そう言ったわたしに、高天原さんは笑うのをやめた。

「わたし…」

そこで言葉を区切って彼を見つめると、
「高天原さんのことが好きです」
と、言った。

「えっ…」

「わたしと…結婚を前提におつきあいをしてください」

そう言い終わった後で頭を下げた。

心臓がドキドキと鳴っている。

高天原さんは、何と返事をしてくれるのだろうか?

断られたらどうしよう…と言う不安がある。

でも彼から何と言われても、わたしは大丈夫だ。

「来生さん、頭をあげてください」

高天原さんに言われて、わたしは頭をあげた。

目の前にいたのは、頬をほんのりと紅くさせた彼の顔だった。

「まさか、あなたから告白をされるとは思ってもみなかったです…」

高天原さんは言った。