その翌日から嫌がらせはなくなった。

本当に沙理奈さんの仕業だったのか、門谷さんが沙理奈さんに何かを言ってくれたのか。

「あの現場を最後まで見てた…なんてことはないか」

今日はちゃんとあるゴミ袋にわたしは呟いた。

とは言え、わたしに気持ちがないことを知ってくれたみたいでよかった。

「あ、遅刻する」

わたしはゴミ捨て場の前から離れた。

「次は、わたしか…」

会社へと向かいながら、わたしは呟いた。

近いうちに仕事以外で高天原さんと会う日を設けよう。

そして、彼に自分の気持ちを伝えよう。

例え返ってきたその答えが自分が思っていたものとは違うものだったとしても、ちゃんと受け入れよう。

もうすぐで台風がくるとは思えない青い空を見あげると、わたしは思った。