「ああ、なるほど…」

門谷さんはわかったと言うように呟いた。

それから彼はわたしの隣に立つと、
「沙理奈、俺は彼女を大切にしたいと思っているんだ」
と、言った。

「えっ…?」

思わぬその言葉に沙理奈さんは驚いた様子だった。

「な、何で…?」

沙理奈さんの問いかけに、
「お前も知っている通り、俺は恋とか愛とかそんなものを信じなかった。

やることは一緒なんだから躰を重ねるだけでいいとそう思っていた。

だけど…」

門谷さんはわたしに視線を向けてきた。

「彼女は、俺が今まで会った女たちと全く違った。

最初はそんな彼女のことが嫌いなくらいで、何で自分の思い通りにならないんだろうってイライラした。

一緒に仕事をしたり、デートみたいなことをして過ごしたからか…俺はもっと彼女のことを知りたいって、そう思った」

門谷さんは言った。