急に連絡がとれなくなって…相手の連絡先を消しただけだからそりゃそうか。

「沙理奈、落ち着け。

そもそも俺たちは最初からそう言う関係だっただろ?」

門谷さんは沙理奈さんに少しだけ近づくと、そう声をかけた。

「そう言う関係って何が!?

私、義隆のことがずっと好きだったの!

躰だけの関係でもいいから、義隆のそばにずっといたかった!」

沙理奈さんは言い返した。

まさかの修羅場展開に、彼らの真ん中にいるわたしはどうすればいいのかわからなかった。

周りはわたしたちのただならぬ空気に、我先にと逃げるように離れていた。

「なのに、こんな女に熱をあげて!」

「うぇっ!?」

沙理奈さんがビシッとわたしを指差したので驚きのあまり変な声が出てしまった。