翌日。

仕事を終えると、わたしは門谷さんとの待ちあわせ場所へと足を向かわせた。

目印である銀時計の前に行くと、門谷さんはすでにきていた。

門谷さんに声をかけようとした時、
「義隆!」

彼の名前を叫ぶように呼ぶ声がわたしの後ろから聞こえた。

その声に驚いて思わず振り返ると、茶髪のミディアムロングの女性がいた。

えっ、何?

と言うか、誰なの?

「えっ…さ、沙理奈?」

門谷さんが驚いたと言うように、その人の名前を言った。

「えっ、知りあい?」

そんな彼らに対して、わたしは声をあげた。

「急に連絡がとれなくなって何があったかと思ったら、一体どう言うつもりなのよ!?」

沙理奈さんが門谷さんに向かって叫んだ。