「子供がいるとかいないはもちろんのこと、別居婚とか事実婚とかもその形に当てはまるのかなって…すみません、わたしの方こそ何を言っているんだって言う話ですね。

と言うか、結婚したことないヤツが偉そうに語るなよって言う話ですよね」

自嘲気味に笑ったわたしに、
「いや、あなたの言う通りだと思いますよ。

結婚や幸せは人それぞれで、それぞれに形があるのは本当だと思いますから」

高天原さんは言い返した。

その顔は先ほどまでの悲しそうな顔じゃなくて、ホッとしていた。

「ーーッ…」

高天原さんの手がわたしの頬に触れたのと同時に、彼との距離が近いことに気づいた。

その顔立ちは本当によく整っていて、今さらではあるが彼に見とれてしまった。