施設の中の、たまたま目についた中華料理のチェーン店で夜ご飯をごちそうになった。

「美味しい!」

小籠包を口に入れたわたしに、
「美味しそうに食べますね」

高天原さんは向かい側の席で微笑んで天津飯を口に入れた。

小籠包の中から出てくる熱いスープにハフハフと言いながら飲み込んだ。

「デザートは何を頼みます?」

「あー、そうですね…」

高天原さんがタッチパネルを動かしている様子を見ながら、わたしは考えた。

ごま団子に桃饅頭、愛玉子、杏仁豆腐…あー、台湾カステラも捨てがたいなあ。

何を食べようかと悩んでいるわたしに、高天原さんはフッ…と笑った。

「どうかしましたか?」

わたしが聞いたら、
「いえ、何も…」

高天原さんは答えた。