2人きりだ。

今、車内にいるのは…わたしと高天原さんの2人だけだ。

チラリと、車を運転しているその横顔に視線を向けた。

本当に顔がいい。

ダンディなそのお顔に見とれていることがバレないうちに、わたしは窓の外へと視線を向けた。

移り変わるその景色を眺めていたら、
「ーー門谷と…」

高天原さんは言った。

「はい」

わたしが返事をしたら、
「この間の休日、門谷と2人で会っていたそうですね」
と、高天原さんは言った。

「会っていましたね、はい…。

門谷さんから話を聞いたんですか?」

わたしが聞いたら、
「ええ、聞きました」
と、高天原さんは答えた。