「恋愛なんて、しょせんは欲を吐いているだけでしょう?

同じことをするくらいならば、セフレだけで充分ですよ。

その方が自由で、その方がとても楽しい」

そう言っている門谷さんの目に色はなかった。

「好みのタイプとかもなかったんですか?

芸能人で言うと誰がいいとかキレイ系とかかわいい系とか」

「興味がありません」

「そうですか」

改めて、あなたのことを理解できないことだけがわかりました。

「あなたはどう思いますか?」

そう聞いてきた門谷さんに、
「別に」

そう答えたわたしに対して彼は見つめてきた。

「わたしには関係ないんで」

「関係ないと言うのは?」

「あなたの過去に何があったのか、あなたがどんな人生を歩んできたかなんて、わたしからして見たらどうでもいいと思っているんで」
と、わたしは言った。