「何でそんなことを聞くんですか?」

「答えたくないなら答えたくないで結構です、わたしが勝手に思ったことなんで」

過去の女関係のことを聞かれるのは嫌だもんね、わたしだって過去の男関係のことを聞かれたら嫌だもん。

「ないですね」

門谷さんが言った。

「えっ、ないんですか?」

「ホテルか女の家のどちらかで会っていたので」

「…なるほど」

つまり、そう言うことをするために…ですよね。

「どうしてそんなことを聞いたんですか?」

そう聞いてきた門谷さんに、
「特定の彼女は今まで作らなかったのかなって思って」
と、わたしは答えた。

「もしそうだと言ったら、あなたはどうするんですか?」

「はい?」

その質問の意味がわからなくて、わたしは聞き返した。