「俺に予定はありませんから大丈夫ですよ。

他に呼ばれても行きませんから」

「ほ、他!?」

驚きのあまり、大きな声が出てしまった。

つまりは他にも相手がいると言うことですよね!?

「まあ、彼女たちはちゃんと関係を理解しているので」

そう言うことを言ってくれと言う訳ではない。

「お断りします、わたしはまじめに結婚を考えているので失礼します。

もう2度とわたしの前に現れないでください、わたしに関わらないでください」

そう言って椅子から腰をあげると、皿とグラスを持ってその場から離れた。

「失礼ったらありゃしない!」

かっこいいと思って浮かれていた数分前の自分を蹴飛ばしてやりたい。

「現れないでください関わらないでくださいって言われても、もうすでに関わっているんだけどね…」

わたしの後ろ姿に対して、門谷さんがそう呟いていたことなんて知らない。